小金井愛の「株四季ごよみ」気になる企業や銘柄を季節の移ろいと共にご紹介。毎月二回更新
2012/01/06 株四季ごよみ
小寒(しょうかん)
新年あけましておめでとうございます!財津博士の助手、小金井 愛です。この「株四季ごよみ」では今年も二十四節気の暦にちなんで幅広く企業・銘柄をご紹介してまいります。引き続きよろしくお願い申し上げます。
さて、新年最初の暦「小寒(しょうかん)」はきょう1月6日です。この1と6の語呂合わせできょうは「いろの日」なんだそうですよ。ということで今年第1回目の株四季ごよみは、インキやグラフィックアーツ材料分野の世界的企業【4631】DIC(株)に注目してみましょう。
創業は1908年。この当時は生活の近代化に伴って雑誌の刊行や化粧品・食品の包装パッケージなど、印刷需要が大きく伸び始めた頃だそうです。そこで創業者の川村喜十郎は印刷インキ分野での起業を決意し「川村インキ製造所」を誕生させました。
また、近い将来オフセット印刷が普及すると予測して、オフセット印刷用インキの研究に着手。試行錯誤を繰り返しながら、1915年、ついにオフセットインキの製造に成功しました。このあとわずか数年で東京と大阪に百数十台を超える印刷機が普及し、予測通りオフセット印刷は急速に広まったそうです。
その後、美しく使いやすい印刷インキを安定的に生産するため、高品質の国産有機顔料の自給を手がけたことをきっかけに化学会社としての第一歩も踏み出します。そして1937年に大日本インキ製造株式会社を設立。1957年には合成樹脂製品の原料から最終製品までの一貫生産体制を構築。石油化学などの新分野へも展開が進み、1962年に大日本インキ化学工業株式会社へ改称しました。
さらに1986年、米・サンケミカル社のグラフィックアーツ部門を買収し、印刷インキおよびグラフィックアーツ材料分野で世界最大の企業となりました。2008年、創業100周年を迎えて社名をDIC(ディーアイシー)株式会社に変更。「化学で彩りと快適を提案する化学メーカー」として、さまざまな「色」と「素材」を作り出しているそうです。
博士「印刷業界人やデザイナーにとってDICといえば、なんと言っても『DICカラーガイド』じゃよ。ほれ、実はワシも趣味でこのカラーガイド・ミニ版を持ち歩いているのじゃ」
あら博士、ちょうどそのお話をしようと思っていたんです。このカラーガイドはもともと印刷会社へサービスで配布していた338色の印刷見本でした。この色見本を使うと「ここはこの色を使いたい」「もうちょっと明るいこっちの色にしましょうか」のように当事者同士が直接色を見ながら打ち合わせできるため、印刷物製作の現場では大変役に立つんだそうです。
やがて、より本格的な色見本を作ろうと、日本を代表するグラフィックデザイナーの監修により3,000色を超える候補の中から基本の641色を選定。そうして単純な色の羅列ではない、魅力的な色見本帳が誕生しました。それが1968年に販売を開始した「DICカラーガイド」なんです。
このカラーガイドには色の名称だけでなく、「RGB値、CMYK値、マンセル値、HTML、インキ配合」など「その色を印刷・表示するための具体的な情報」が記載されているので、たとえば「本の表紙をあの夕焼けの色にしたい」と思った時、このカラーガイドでイメージ通りの色を見つけたら「DICの○○番」と指定するだけでその色が表現できるんだそうですよ。
博士「カラーガイドのミニ版をポケットから取り出してはご近所の家の金柑とか、針葉樹の葉の色とつき合わせてみたりするのが楽しいんじゃ。たとえ冬でも、世の中は味わい深い色にあふれておる」
博士、今日はいいこと言いますねー。DICカラーガイドはその後もカラーバリエーションを増やしていて、色見本帳は「明るく華やかな色調」「渋く落ち着いた色調」など系統的に分類してあり、全種類を合わせると現在では1,200色以上を網羅した色見本帳となっています。
バリエーションの中には日本古来の繊細な色表現を伝える「日本の伝統色」、ほかにも「フランスの伝統色」、「中国の伝統色」などのシリーズもあるんですって!なんだか楽しそうですね。
博士「オッホン、ワシもちゃーんと“日本の伝統色版”を持っておるゾ。日本古来の美しい色の数々が勢揃いじゃ。これはもう単なる色見本の域を出て、立派な保存資料と言っても良い。桜鼠(さくらねず)錆御納戸(さびおなんど)焦香(こがれこう)など、色の名前も素晴らしい。日本の伝統文化は宝物じゃな」
はい。わたしも日本の伝統は大切にします。ということで明日1月7日は当ラボでも七草がゆを食べましょう。博士、材料を買ってきますから、春の七草をぜんぶ教えてください。
博士「ん・・・?ああ、大丈夫じゃよ・・・。七草はちゃんとセットで売っておる」
(はは~ん、さては博士、春の七草を言えないんですね・・・)いえいえ、わたしも春の七草を覚えたいんでぜひ教えてください。
博士「ああ大変じゃ!今朝タンスの角にぶつけた足の小指が腫れ上がってすっかり蒲葡(えびぞめ)色になっておる!病院へ行ってくるから、帰りに七草を買ってくることにしよう。それでは行ってくるゾ!」
博士ったら、走れるじゃないですか・・・。そんなわけで相変わらずの株・財津ラボですが、新しい1年も引き続きお付き合いくださいませ。今年もよろしくお願いいたします。







